以前 what's New に載せていた朝鮮料理のコラムを掲載します。
日本と似ているようで違っている朝鮮の文化を想像してみて下さい。

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ビビンバブ カルビ わかめスープ ミノの由来 ユッケとタルタルステーキ
サンチュ ユッケジャンの肉 朝鮮料理と唐辛子 キムチの効用 スタミナ食からヘルシー食へ
朝鮮での食事作法 朝鮮での食事作法2 節目の食べ物 麺食い腹 ごま油
唐辛子の効用 桔梗 朝鮮の後食 朝鮮風お雑煮 明太と明太子
朝鮮の塩辛 煎(ジョン)


ビビンバブ

ビビンバブって皆さん知ってますよね?何故、ビビンバブって言うか 分かりますか?それは、韓国語で「ご飯」の事を「パブッ」と言います。 そして、「ピビン」とは混ぜると言う意味です。そうです、もうおわかり でしょう! その2つが合わさってビビンバブと言います。これからも このような事を沢山勉強し、発信していきたいと思います。 何か有りましたら、遠慮なく王国のBBSへ書き込んでください。 以上、T・Sでした。

カルビ

今日は焼肉でも人気のメニューである「カルビ」 についてです。焼肉は元々朝鮮料理ですが、メニューの中にも朝鮮語が 多く残っています。代表的なのは前にご紹介した「ビビンバ」、または 「キムチ」などですが、「カルビ」もそのものズバリ朝鮮語なのだそうです。 肋骨の側のあばら肉のことを朝鮮では「カルビ」と言うのです。

わかめスープ

今日はわかめスープについてお話します。 朝鮮では、わかめスープは 家庭料理であると同時に産婦にとっての大切な食べ物なのだそうです。 古くから、朝鮮では子供を立派に育てるためにわかめスープを食べると言う 慣習があります。 これは単なる慣習だけではなく、栄養的に見ても 素晴らしいものだそうです。 わかめにはカルシウムなどのミネラル分が 多く含まれていますが、これらの栄養素は赤ちゃんの成長に必要なものです。 つまり、これらを食べることで母乳を通して赤ちゃんに栄養をあげられる のです。 赤ちゃんのいるお母さんはどんどんわかめを食べましょう!

ミノの由来

ミノとは牛の第一胃、つまり牛が食べたものが最初に入る胃の事です。 この「ミノ」という名前の由来は、すぐには分からないと思います。 この名前の由来は第一胃を切り開いた時に、ちょうど蓑笠のように 三角の形になるところから来ています。 また、この蓑笠の発想は朝鮮語の 「膾笠」(フェツカツ)から来ています。ミノのような内臓肉の名前は、 本来屠場用語ですが、これも元をたどれば朝鮮語から来ているものが 多いようです。

ユッケとタルタルステーキ

ユッケと言う牛肉の刺身料理はご存知でしょう。 生の牛肉を細切にして 調味料と混ぜ合わせ上に卵黄をのせた料理です。 これは朝鮮の料理 ですが、ヨーロッパにも同じ料理があります。それはタルタルステーキです。 この名前はタタールの肉料理という意味です。 タタールとは中央アジアの 遊牧民で、モンゴル民族のヨーロッパ遠征にも加わりました。その時に 彼らが食べていたユッケがヨーロッパに伝わり、以後タルタルステーキと 呼ばれるようになったのでしょう。 こんな、食べ物のルーツを探るという 事もなかなか面白いと思いますよ。

サンチュ

朝鮮の独特な料理に、「サンチュ」があります。ちしゃの葉でご飯と味噌を 包んで食べるという料理ですが、これの独特な点は生野菜でご飯を包むと いうところで、他の地域には見られないところです。 このちしゃですが、 実はレタスの仲間で、中国から伝わってきたそうですが、中国では 葉の部分は食べずに茎を炒め物などにするそうです。 西洋では同じく 生で食べているのに、隣の中国でまったく食べ方が違うというのは なかなか興味深いところだと思いませんか?

ユッケジャンの肉

ユッケジャンというスープをご存知でしょうか? 牛肉の入った辛いスープの ことです。漢字では「肉狗醤」と書きます。 この字を見て想像がつく方も いるのではないでしょうか。実はユッケジャンの肉は元々は犬の肉だった のです。 狗肉のスープはケジャン(狗醤)と呼ばれていました。そこに 牛肉の意味であるユッ(肉)をつけてユッケジャンと呼ぶようになった のです。 ユッケジャンは昔は民衆のスタミナ料理として食べられて いました。これを朝鮮の宮廷で出す事になった時、王族が犬の肉を 食べるわけにはいかないので代わりに牛の肉を入れたという事です。 今では、朝鮮でもケジャンとユッケジャンは別の料理として 区別されています。

朝鮮料理と唐辛子

今日は少し視点を変えて朝鮮料理と唐辛子の関係についてお話したいと 思います。 朝鮮料理といえば唐辛子の赤のイメージが湧くと思いますが、 唐辛子が使われるようになったのは意外と新しく、18世紀中頃だそうです。 それ以前にはコショウ、しょうが、からしなどを使っていました。 特に、 肉食の朝鮮ではコショウがよく使われていました。このコショウは日本から 輸出していたものでしたが、秀吉の朝鮮出兵によって貿易が出来なくなり、 コショウは手に入らなくなってしまいました。 そこで登場してきたのが 唐辛子です。 初めはコショウの代わりとして使われた唐辛子も1世紀ほど すると朝鮮の食文化に根づき、欠かせないものとなったのです。

キムチの効用

今日はキムチを食べる事で体にどんな影響があるか、というご紹介です。 キムチの中の唐辛子によるダイエット効果は有名ですが、他にも良い事が あります。キムチは野菜ですから食物繊維を多く含んでいます。 これが 内臓の動きを活発にし、お腹の中をきれいにしてくれます。 またキムチの 辛味成分であるカプサイシンが胃腸を刺激して消化を助け、食欲を増進して くれます。 このように、キムチはご飯や肉と一緒に食べるにはとてもよい 食べ物なのです。

スタミナ食からヘルシー食へ

朝鮮料理といえば焼肉やチゲ鍋など香辛料のきいたスタミナ料理という イメージがありました。 しかし最近ではナムルや、キムチのような 野菜料理の多彩さも知られるようになりました。 これらの野菜料理の 美味しさのもとは、昔からオモニ(お母さん)たちが工夫してきた 調味料なのです。 でも、この調味料も実は簡単に出来て作り置きも 出来るのです。 皆さんも手軽でヘルシーな朝鮮料理に挑戦してみては いかがですか?

朝鮮の食事作法

朝鮮の食事は、ご飯があり、汁物があり、等々日本の食卓と似ています。 しかしそこでの作法には違いがあります。 それは匙(さじ)を使う という事です。 朝鮮ではスープはもちろん、ご飯、なべ、煮物はすべて 匙を使って食べます。 箸は和え物、焼き物、干物をとる時に使い、 どちらかといえば脇役です。 匙を使うので器は持ち上げません。 そのため食器は底が平らで大型になります。 対して日本では食器を 持ち上げるために小型で、持ちやすい形になっています。 また、 匙も箸も日本と違い金属製である事も特徴となっています。 今日は食器に関してのお話でした。 次回は食べ方についてお話します。

朝鮮の食事作法2

お客様が来る時には朝鮮ではたくさんの料理を出してもてなします。 器が大型のため、もともとお代わりの習慣はありませんがお客様が来る場合 には食べきれないだけの量を作ります。 また招かれたほうも料理を残します。 これはたくさんの料理を出す事で招待する方の気持ちを表し、残すことで 十分満足したというお客側の気持ちを表す、ということです。 最近は このようなことは無駄といわれてあまり見なくなりましたが、食堂での 「韓定食」という定食料理には名残が見られるそうです。お酒を飲む場合、 親や目上の人間の前では慎みます。 勧められた場合には顔を横に向けて 飲みます。

節目の食べ物

季節と料理の関わりを表すものに時食(シシツ)と節食(チョルシツ)が あります。時食とは四季それぞれによく食べられる料理のことです。 例えば春の草餅や冬の冷麺などです。 節食とは食べる日が決まっている もので、正月のトックなどが代表的です。また、季節とは別に人生の節目で 食べる料理というものもあります。以前ご紹介したわかめスープも そのひとつです。 他には結婚式で出す餅や麺、法事での唐辛子を使わない 料理がそれに当たります。日本でも同じ様な習慣が残っていますが、 このような時に食べるものには旬のものが多く使われています。 旬のものは美味しいだけでなく、栄養価も一番高くなっています。 ですから健康のためにもこういう習慣も大切にしたいものですね。

麺食い腹

朝鮮は麺類も豊富ですが、特に北部でよく食べられていました。 それは北部では気候が稲作にはあまり適さないためで、そのために 麺類などの粉食が発達したそうです。 冷麺はピョンヤン式とハムン式の 2種類ありますが、日本で親しまれているあっさり味のものはピョンヤン式に 近いといえるでしょう。昔は朝鮮でも1日2食でしたが、昼には軽く 麺や饅頭を食べていました。 しかしこれらは正式な食事とは認められて いませんでした。 そのため、「麺を食べる腹は別にある」という言葉が 出来ました。 この言葉通り、朝鮮では食事の後に麺を食べることがある そうですが、腹が一つの我々日本人には少々つらいのではないでしょうか。

ごま油

唐辛子と並んでごま油も朝鮮料理には欠かせない調味料です。 ごま油には2種類あり、高温で焙煎した香りの強い「焙煎ごま油」と、 そのまま精製した無色で香りが弱い「ごまサラダ油」があります。 朝鮮では「焙煎ごま油」の方が好まれています。ごま油は、 ごまに含まれる抗酸化物質のおかげで長持ちするという性質があります。 特に「焙煎ごま油」の色の濃いものはその力が強く何年も安定して 使えるそうです。

唐辛子の効用

唐辛子については以前もお話しましたが、今回は唐辛子の効用についての お話です。唐辛子の辛味成分であるカプサイシンは消化促進だけでなく、 血管を拡大させる効果もあります。 これにより体温が上がり汗が出て きます。 この効果を使ったものに靴下や張り薬があります。 またこれにより気分転換やストレス解消の効果があることもわかっています。 その他に、唐辛子の中には辛味成分の他に少量ですが甘みと旨みの成分も 含まれています。そのため、唐辛子は薬味や調味料としても重宝されて いるのです。

桔梗

日本でも昔は食べていたのに、今は食べられなくなっているものに 桔梗(トラジ)があります。 秋の七草に数えられ、根を薬用・食用に 利用されていましたが何時の間にか食べられなくなってしまいました。 しかし、朝鮮ではこのトラジは山菜としては代表的なものなのです。 食べ方としてはナムルや生菜(センチェ)といった和え物にすると、 トラジの香りや歯ざわりを楽しめるでしょう。 先に書いたとうり、 トラジには薬としての効果もあり、痰を切り下痢や腹痛にも効果がある そうです。 桔梗は花屋さんで買えるので、花を見た後に食べてみては いかがですか?

朝鮮の後食

フランス料理店などではデザートのためにお客さんが来るという話が ありますが、朝鮮のデザート(後食)も、色々な特色ある物があります。 今日はそれらをご紹介します。朝鮮の後食の特徴は、ごまや生姜、銀杏など 種子を使ったものが多いということです。例えば、ごまや銀杏の団子や 生姜のアイスクリームなどがあります。 また、ピーナッツや松の実、 くるみなどを飴で固めたおこしのようなものなど、自然のものを使った お菓子が多いのです。 その他にも、ゼリーや果物のシロップ煮なども あります。みなさんも機会があればぜひ食べてみて下さい。

朝鮮風お雑煮

朝鮮の餅はトックといい、日本のようなもち米ではなくうるち米を粉にして、 それをついて作ります。 そのため、日本の餅よりも伸びない代わりに 弾力があり、あっさりとしています。 トックは2種類の形があり、 太いものは薄い斜め切りにしてお雑煮に使い、細いものはそのまま炒め物 などにします。 お雑煮はお祝い事、特に結婚式の時によく食べられます。 結婚式と新郎新婦が新婚旅行から帰ってきた時、両方の家で計4回 パーティが行われます。 その時にトック入りのお雑煮が欠かせないのです。

明太と明太子

明太(ミョンテ)とはすけとうだらのことです。 この魚は朝鮮の庶民を 支えてきた、といえるほど食べられています。 特に乾燥させた干し明太は 山村の貴重な蛋白源でした。明太の捕れる時期は11月から2月にかけてですが、 捕った魚を外に出しておくと凍結と解凍を繰り返して水分が抜けていきます。 そうして出来た干し明太はかなりの長期間保存でき、昔の家庭では 重宝されたのです。 ところで、明太と聞いて何かを思い浮かべませんか? そうですね、日本には辛子明太子というものがあります。 実は、これも 朝鮮からの食べ物なのです。 朝鮮が植民地であった当時は、唐辛子を まぶした明太卵の塩辛を朝鮮から博多へ輸出していました。これが戦後も 博多明太子として遠洋産の卵を使って生産しているのです。

朝鮮の塩辛

朝鮮では塩辛(チョッカル)は、そのままではなく必ずねぎや山椒などの 薬味を混ぜて食べます。 日本では塩辛といえばイカの塩辛以外には 思い浮かばないと思いますが、朝鮮ではそれ以外にもかきの塩辛や いわしの塩辛など色々なものを作っています。 特にいわしの塩辛は、 あまりの美味しさに「側で人が死んでも気がつかない」ということわざが あるほどです。 またキムチの材料としても塩辛が使われます。 朝鮮で作られたキムチには、必ずというほど塩辛や魚油が使われています。 朝鮮のキムチが、辛いだけでなく味わいも持っているのはこの塩辛が 入っているからなのです。

煎(ジョン)

煎(ジョン)とは卵と粉をまぜた生地をつけた焼き物のことです。 酢じょうゆ味のたれであるチョカンジャンをつけて食べます。 肉、魚、野菜とどんな素材を使っても美味しく作ることが出来ます。 ごま油をたっぷりと使って、押し付けながら薄く焼くところが特徴です。 野菜をたくさん刻んでいれるとお好み焼きのようになります。 これは日本では、韓国風お好み焼き、またはそのまま韓国語で「チヂミ」 といわれています。今日まで朝鮮の料理などをご紹介してきましたが、 今回で一応終了になります。少しは皆さんに朝鮮の料理を身近に感じて 頂けたのではないでしょうか。 今後も要望がありましたら このようなことをしてみたいと思っていますので、メールをお願いします。 それでは、ありがとうございました。